自然から生まれた最強の塗料~漆(うるし)~
漆(うるし)とは、樹木が傷ついた際に分泌する樹液のことで、縄文時代から人々の暮らしを支えてきた自然の塗料です。
漆と云えばお皿やお椀など食器類を連想される方が多いと思いますが、楽器、農工具や家具の他、様々な生活必需品に用いられてきました。
漆が丈夫で長持ちと云われる理由
・水、熱湯、酸、アルカリ、塩分、アルコール、油といった身の周りに溢れる様々な成分に強い。
・優れた耐水性、断熱性。
・塗り重ねれば重ねるほど強度が増す。
・虫を寄せ付けず、カビや菌の繁殖を防ぐなどの防虫・防腐・抗菌効果がある。
・一度固まった漆は溶けることはない。
などなど、耐久性が高く劣化を防いでくれる嬉しい効果がたくさんあります。
年月が増すほど艶が増す漆のアクセサリー
縄文時代にはすでに装飾品に漆が用いられるなど、アクセサリーとしても大変深い歴史のある漆。
漆は年月が経てば経つほど少しずつ透明に変化する性質があり、使えば使うほど艶と光沢が増していきます。自然の中で生まれた天然の塗料は、時の経過と共に違った表情を見せてくれるのも魅力のひとつ。
さらに、漆は万能塗料としてはもちろん接着剤としても大変優秀な素材でもあります。
中でも箔との相性も抜群で、剝がれにくく金の輝きをそのまま表現してくれることから、日本の重要文化物に指定される芸術品の数々にも漆と金の組み合わせがよく見られます。
今ではプラスチックが生活必需品の大半を占めていますが、人間にとっての手軽さが重要視される裏側で多くの環境問題が生まれています。
そんな時代だからこそ、プラスチックが存在しなかった時代に人間の生活を支え続けていた「漆」という素材にもう一度着目してみるのも一つの手段ではないかと思っています。
自然に負担をかけず、実用性も高い万能塗料「漆」。
今では遠い存在になった漆製品をもっと身近に感じられるよう、現代のライフスタイルに合う形でこれからもご提案し続けて参ります。